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林 玲のうた 手のひらに白き礫のまろきかな旅す流れに会うて研がれて

言の葉に聞こえていた音が鎮まってうごかぬ思い風吹くときも

(ことのはにきこえていたねがしずまってうごかぬおもいかぜふくときも)
言葉がリズムと音になって頭の中に響いてた頃があったなあ。風が吹くのに言葉が紡げない。
詠めてた気がしていただけの自己満足の歌たち。でもあの頃の私には必要だったのだと思う。


# by ring_rei | 2020-05-08 22:41

川辺には枝もたわわに八重桜その嵩重しこの春だけは

(かわべにはえだもたわわにやえざくらそのかさおもしこのはるだけは)

         **                **   

  晴天にさくらほころぶ春なれど冷たき風の頬をさすごと 

 このお歌は、大好きなお友達のやよいさんがくださいました。それで返歌を考えました。なんとなく重たいこの春の東日本。そんな思いが私たちのコメントの中に流れていたのです。

 やよいさん、こちらにご紹介させて頂いてよかったかしら。。。
# by ring_rei | 2011-04-24 23:20 | 短歌

夕やみにほんのり白むモクレンは「大停電」の夜にほころびぬ

(ゆうやみにほんのりしらむもくれんは「だいていでん」のよにほころびぬ)

永らく詠めないままでいました。
ちっとも進歩はしませんが、日記のように書ければいい。
その初心に帰ってみることにしました^^
# by ring_rei | 2011-03-20 19:10 | 短歌

霜月には小春日を。。。

夜の明けて仮装舞踏の仮面をとれば塵に与へし誉れも消ゆる
よのあけてかそうぶとうのかめんをとればちりにあたへしほまれもきゆる

オキザリスの真白き花のひらく朝 竿を拭きつつ頬のほころぶ
おきざりすのましろきはなのひらくあさ さおをふきつつほおのほころぶ

秋天を風駈く跡を追ひかけて雲の間遠く星を見つけり
しうてんをかぜかくあとをおひかけてくものまとほくほしをみつけり

秋の陽をいっしんに浴び千日紅 希望の玉がつぎつぎと咲き
あきのひをいっしんにあびせんにちこう きぼうのたまがつぎつぎとさき

残し柿たれがこの日の「客」となろう小窓の外を夕焼けが染む
のこしがきたれがこのひの「きゃく」となろうこまどのそとをゆうやけがそむ

空の青映して和す多摩川の小春の風に肩を抱かるる
そらのあをうつしてやはすたまがわのこはるのかぜにかたをだかるる (TF)

婚活のお仕着せにおうセールスにそんなことまで他人がいうか・・・
こんかつのおしきせにおうせーるすにそんなことまでたにんがいうか・・・

見せてごらん・・・。「もう治りました!」と義母答ふ。背筋伸ばして老医師を見ゆ。
みせてごらん・・・。「もうなおりました!」とははこたふ。せすじのばしてろういしをみゆ。

艶やかな頬を染めにし山茶花のくれないひとつ胸に挿し留む
つややかなほおをそめにしさざんかのくれないひとつむねにさしとむ

かあさんの呼ぶ声聞こゆ夕暮れはぽつりと点る明かり見つむる
かあさんのよぶこえきこゆゆうぐれはぽつりとともるあかりみつむる (TF)

七三に分れし頭をぐんと立て白猫そろりと闊歩してゆく
しちさんにわかれしかしらをぐんとたてしろねこそろりとかつぽしてゆく

日差し浴ぶすすきが原は銀の波よせてはかえす風の現し身
ひざしあぶすすきがはらはぎんのなみよせてはかへすかぜのうつしみ

秋だとて好きな活字を手にすれどまぶたも本も重さに耐えず
あきだとてすきなかつじをてにすれどまぶたもほんもおもさにたえず (TF)

チェーン切れバイク を押しつつ夜半の月泣きたい気持ちに慰め降らす
ちぇーんきればいくをおしつつよわのつきなきたいきもちになぐさめふらす (TF)

つきがけて求むる吾子の晴れ姿藤色の花にくるむ義父(ちち)居り
つきがけてもとむるあこのはれすがたふじいろのはなにくるむちちをり

月をみて十月桜をみやるとき心は友のこえをたどりぬ
つきをみてじうがつざくらをみやるときこころはとものこえをたどりぬ

硝子戸は日々の雲行き映しつつ人住まぬまま時を背負いぬ
がらすどはひびのくもゆきうつしつつひとすまぬままときをせおいぬ

**********横(はま)浜の休日。。。。。

コンマスはちょっとヤンキー青年のアマデウス聴く横浜(はま)の休日
こんますはちょっとやんきーせいねんのあまでうすきくはまのきゅうじつ

ぎんなんの香を踏み頭上を仰ぎつつ大桟橋の風に吹かるる
ぎんなんのかをふみずじょうをあおぎつつおおさんばしのかぜにふかるる

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# by ring_rei | 2009-12-04 22:16 | 短歌

神無月には雫を受くる。。。

細き指の間(ま)より零るる君の声が木漏れ日となるやみし心の
ほそきゆびのまよりこぼるるきみのこえがこもれびとなるやみしこころの

野分け晴れ富士山(やま)白く座す朝に洗濯槽の渦を見つむる
のわけはれふじやましろくざすあさはせんたくそうのうずをみつむる

満ち足らぬ成功とふ名の深い穴不完全さを認めぬ者らの
みちたらぬせいこうとふなのふかいあなふかんぜんさをみとめぬものらの

彩りの冴ゆはなはなは秋の庭 ブーケにしよう真白き薔薇の
いろどりのさゆはなはなはあきのにわ ぶーけにしようましろきばらの

真鍮のフックの横に張られてた名札に安堵す幼きわたし
しんちゅうのふっくのよこにはられてたなふだにあんどすおさなきわたし

透明なはずの空気に陽が触れてふわりと立ちぬ人肌の匂ひ
とうめいなはずのくうきにひがふれてふわりとたちぬひとはだのにおい

戸の隙に忍び込みたる蔦つたいこびとの家につづく道あり
とのすきにしのびこみたるつたつたいこびとのいえにつづくみちあり

杉材の年輪だけが憶えてる休まず風が撫ぜゆく感触
すぎざいのねんりんだけがおぼえてるやすまずかぜがなぜゆくかんしょく

ははが老い受け入れられぬ子のむねを開閉自在にぶつけるわれに
ははがおいうけいれられぬこのむねをかいへいじざいにぶつけるわれに

摘みとりしコスモスの花手に揺れて頬染む姉をわれは見つむる
つみとりしこすもすのはなてにゆれてほおそむあねをわれはみつむる

綿はなを敷き詰めたような雲のした金木犀がゆらりと匂ふ
わたはなをしきつめたようなくものしたきんもくせいがゆらりとにおふ

独り寝の慄きを消すためなのか媼は記憶を溶かしてをりぬ
ひとりねのおののきをけすためなのかおうなはきおくをとかしてをりぬ

ステッキを小脇に抱え否という転ばぬ先の杖より元気
すてっきをこわきにかかえいなというころばぬさきのつえよりげんき

心病む?殺める夢の瞬きのフラッシュバックに慄きの朝
こころやむ?あやめるゆめのまたたきのふらっしゅばっくにおののきのあさ

天よりのマナの降りたる荒野かと見まがふほどに光る海原
あめよりのまなのおりたるこうやかとみまがふほどにひかるうなばら

肩すくめ娘のように笑う義母(はは)嬉しそうで温くぬく吾も
かたすくめむすめのようにわらうははうれしそうでぬくぬくわれも

少女らの声が響きぬ逢魔が時は帰路に背を向けころころ笑ふ
しょうじょらのこえがひびきぬあふまがどきはきろにせをむけころころわらふ

# by ring_rei | 2009-11-04 22:16 | 短歌



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by ring_rei